CDKL5欠損症(CDD)を対象としたGEMZ試験
CDDを対象としたGEMZ試験の詳細説明
GEMZ試験は、CDKL5欠損症(CDD)の患者さんに関する理解を深めること、またこの疾患の原因と考えられているサイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)遺伝子の変異が確認されている患者さんの発作を治験薬で軽減できるかどうかを検討することを目的として、現在実施されています。
この治験は、遺伝子検査(CDKL5遺伝子に変異またはエラーがあるかどうかを判断する検査)と医師が行う臨床診断によりCDDと診断された2〜35歳の患者さんを対象としています。CDDと診断された患者さんの中には、過去にレノックス・ガストー症候群(LGS)とも診断されている方もいます。これは、両疾患には発作タイプを含むさまざまな多数の共通点があるためです。そのような患者さんも本治験の対象となります。
Learn more about the study from one of the study investigators and a representative from The International Foundation for CDKL5 Research in the video below.
For more information and resources about CDD, you can visit the International Foundation for CDKL5 Research (IFCR) website.
GEMZ試験に参加するには、いくつかの基準を満たす必要があります。GEMZ試験に参加するための条件:
- 年齢が2歳から35歳である
- この疾患の原因と考えられているCDKL5遺伝子の変異が確認されている
- 生後1年目に初めててんかん発作を発症しCDDと診断された
- 運動及び発育遅延が認められる
- 以前または現在、抗てんかん薬を2種類以上使用しているにもかかわらず、発作をコントロールできていない
- 現在、1種類以上の抗てんかん薬の投与を受けている
- 現在、4種類を超える抗てんかん薬を併用していない(レスキュー薬を除く)
- 運動性の発作が週に4回以上ある
本治験への登録に当たっては、さらにほかの基準があります-この基準については治験担当医師や治験コーディネーターなどの治験スタッフが患者さんとともに確認を行います。
治験実施施設では、治験スタッフが本治験についてさらに細かく説明を行い、治験の参加について詳しく説明します。
治験実施施設の検索
治験への参加を選択することは大きな決断です。医師やご家族・ご友人と相談して、治験への参加について決めてください。詳細は、治験スタッフにお問い合わせください。
インタラクティブマップには、本治験が実施されている都市が表示されます。+記号(左下)をクリックしてエリアを拡大し、ピンをクリックして都市名を表示してください。マップの下のタブをクリックすると、参加国と都市が表示されます。
国際共同試験の実施地域
本治験は、治験を実施している医療機関に来院することから始まります。その際、治験担当医師や治験コーディネーターが本治験について十分に説明し、あなたのご質問にお答えします。あなたご本人もしくはあなたのご家族の方が本治験のすべての参加基準を満たし、本治験に参加することにあなたが同意される場合は、その後の4週間の発作をすべて記録するための電子日誌をお渡しします。4週間経過以降に再度来院いただきます。その際、治験担当医師が診察を行い、日誌を確認して必要な情報を収集します。
この時点でも本治験に参加する条件を満たしている場合は、治験薬またはプラセボ(治験薬のように見えますが、薬物としての有効成分を含みません)のいずれかに無作為に割り付けられます。そのどちらが割り当てられ、あなたが服用するのかは、あなたにも治験担当医師にも知らされません。
パート1の14週間、参加者は治験薬またはプラセボのいずれかを服用し、引き続きすべての発作について電子日誌に記録していただきます。この期間に、参加者には4回来院していただきます。
パート1の最後の来院後、参加者のみなさんには、治験薬をさらに1年間服用いただくための2週間の移行期間に入っていただきます。本治験のパート2の期間中は、さまざまな時点で予定されている8回の来院があります。本治験のこのパートでは、参加者全員に治験薬(プラセボなし)を服用していただきます。
治験薬の最後の服用後に、フォローアップとして2回来院していただきます。1回目は最終服用の2週間後、2回目は最終服用の6ヵ月後です。
来院時に予定されていることは来院ごとに異なりますが、特定の検査、手技、および質問票の記入が含まれます。
評価には以下が含まれます。
- 血液検査、尿検査(遺伝子検査も含まれます)
- 診察
- バイタルサイン(血圧、脈拍数、呼吸数、体温)
- これまでの病歴と服用されている薬についての質問
- 心エコー検査と心電図検査(心機能検査)
- 質問票
- 副作用の確認
- 治験薬の服用
- 神経学的検査
臨床試験(治験とも呼ばれます)は、医学研究の一種です。
そのような試験中に、研究者は、さまざまな疾患や病態の研究はもちろん、そのような疾患または病態を抱える人を助ける可能性のある治療法を研究します。研究試験を行うことにより、研究者は、新しい治療法は患者さんに効果があるか、またどのように作用するかを調べることができます。治験に参加してくださる患者さんがいなければ、現代医学は存在しないのです!
治験への参加が、将来的にほかのCDD患者さんの助けになる可能性があります。しかし、あなたやあなたのご家族が疾患に対する効果を実感できる可能性がある一方で、病態が改善しない可能性もあることをご理解ください。
よくある質問
GEMZ試験に参加するには、いくつかの参加基準を満たす必要があります。患者さんがGEMZ試験に参加するための条件:
- 年齢が2歳から35歳である
- この疾患の原因と考えられているCDKL5遺伝子の変異が確認されている
- 生後1年目に初めててんかんを発症しCDDと診断された
- 運動及び発育遅延が認められる
- 以前または現在、抗てんかん薬を2種類以上使用しているにもかかわらず、発作をコントロールできていない
- 現在、1種類以上の抗てんかん薬の投与を受けている
- 現在、4種類を超える抗てんかん薬を併用していない(レスキュー薬を除く)
- 運動性の発作が週に4回以上ある
本治験への登録に当たっては、さらにほかの基準があります-この基準については治験担当医師や治験コーディネーターなどの治験スタッフが患者さんとともに確認を行います。CDDと診断され、過去にLGSの診断も受けたことがある患者さんも、治験の参加条件をすべて満たしていれば、本治験に参加できます。
あなたご本人もしくはあなたのご家族の方が本治験の参加条件を満たし、参加を選ばれた場合、おおよそ2年間に最大で18回、治験のために来院していただきます。世界各地の約70の施設で約80名の患者さんに参加していただく予定です。
GEMZ試験は2つのパートに分かれています。
- パート1:(約5ヵ月)参加者は、治験薬の実薬またはプラセボ(これは治験薬の実薬とまったく同じように見えますが、薬効成分は含まれていません)のいずれかに等しい確率で割り振られます。パート1には、参加者が本治験に適しているかどうかを評価するためのベースライン期間(4週間)、治験薬を適切な用量に調整する調整期間(2週間)、治験薬またはプラセボを服用していただく維持期間(12週間)があります。パート2に入る前にも、2週間の調整期間があります。
- パート2:(最長約20ヵ月)参加者は全員、この54週間の非盲検継続期間(どちらの薬を服用しているかわかっている状態で継続する期間)、治験薬を服用していただきます。その後6ヵ月間の安全性を確認するフォローアップ期間が続きます。
来院時に予定されていることは来院ごとに異なりますが、特定の検査、手技、および質問票の記入が含まれます。
参加くださる患者さんの安全性は、次の方法で、治験期間全体を通して注意深くモニタリングされます:
- 血液検査、尿検査(遺伝子検査も含まれます)
- 診察
- 神経系の評価
- バイタルサイン(血圧、脈拍数、呼吸数、体温)
- 病歴と服用されている薬についての質問
- 心エコー検査と心電図検査(非侵襲的な心機能検査)
- 認知、行動、生活の質に関する質問票
- 電子日誌のレビュー(発作の記録、レスキュー薬の使用、治験薬の服用)
- 副作用の確認
- 治験薬の服用
- 神経学的検査
本治験で使用する薬は、ドラベ症候群やレノックス・ガストー症候群といった、ほかのまれな病型のてんかんを含め、特定の年齢層の特定のタイプのてんかんを治療する目的で、一部の国ですでに承認されています。
治験薬がCDD関連の発作のある患者さんの脳で厳密にどのように作用するかについては、完全には理解されていません。先行研究によると、治験薬の有効成分には2つの作用があると考えられています。まず、感情、睡眠、不安やその他の身体機能の調節に役立つ、セロトニンと呼ばれる脳内に生来存在する物質の量を増やします。次に、CDD患者の発作活動において何らかの役割を担うと考えられている神経細胞(シグマ-1受容体と呼ばれる)の特定の構造に影響を与えます。
治験薬(または本治験のパート1のプラセボ)は、1日2回口から服用する内服液剤です。食事の時間に関係なく服用できます。
参加者は、普段服用している抗てんかん薬を、治験期間全体を通して服用し続けることができます。
治験のパート2の開始後、参加者が治験薬を服用して少なくとも4ヵ月間安定(発作のコントロールが良好)していたら、治験担当医師は1種類以上の抗てんかん薬(またはその他の治療薬)を必要に応じて変更できます。
治験に参加するかどうかは完全にあなたの自由です。本治験への参加や不参加の決定が現在または将来の医師との関係に影響を与えたり、受ける資格のある利益において不利になるようなことはありません。
各実施医療機関の規定により,医療機関への交通費などを賄うための負担軽減費用と呼ばれる費用が支払われます。そのほかのご家族へのサポートについては、治験担当医師から詳しい説明があります。
本治験のスポンサー(治験依頼者)は、まれなてんかんを含む神経学的および免疫学的障害に焦点を当てた世界的なバイオ医薬品企業であるZogenix(UCBグループ会社のメンバー)です。Zogenixは、CDD患者団体および介護者と協力して、患者の進化するニーズをより深く理解し、患者とその家族を支援するCDD・その他のてんかん組織との関わりを続けています。
Zogenixは治験の結果を分析するために、すべての国のすべての患者さんが治験を終了するまで待つ必要があります。多くの治験では、治験期間にもよりますが、長くて数年単位にわたる場合があります。
Zogenixは、clinicaltrials.govやEU Clinical Trials Register(EU臨床試験登録)など、該当する公的試験登録データベースで治験結果を閲覧できるようにします。治験を終えた後の治験結果の入手については、治験担当医師にお尋ねください。GEMZ試験の結果は、2026年の第4四半期より前に入手できる見込みはありませんが、それ以降に入手できる可能性があります。